服部緑地 インタビュー

憩いの場であり、様々な楽しみ方ができる公園「服部緑地」

「鶴見緑地」、「久宝寺緑地」、「大泉緑地」と並ぶ大阪の四大緑地のひとつ「服部緑地」。甲子園球場のおおよそ33倍、約126.3ヘクタールの面積を持つ、大阪でも有数の規模の府営公園である。ゆるやかな起伏に富んだ園内には竹林のほかに、10数個の池が点在するなど景観の良さには定評があり、「日本の都市公園100選」「大阪みどりの100選」「日本の自然100選」「とよなか百景」などに選ばれている。また、多種多様な施設もあり、北摂地域のスポーツ・レクリエーションの拠点でもある。今回、服部緑地の魅力や役割、地域とのつながりについて公園の管理と広報を担当している大根淳子さんに話を聞いた。

円形花壇
円形花壇

安全かつ楽しんで過ごして頂くために、黒子に徹するのが私たちの仕事

――まずは「服部緑地」の沿革と概要を教えてください。

大根さん:当園は1950(昭和25)年に開園した公園です。1983(昭和58)年には、第1回都市緑化フェアの会場となり、当時の皇太子殿下ご夫妻にご視察いただきました。園内には花壇や植物園、スポーツ施設、プール、野外音楽堂、博物館、乗馬センター、子ども用の遊具など幅広い施設があるため、ファミリーやシニア、学生グループなど様々な方が来られます。年間の来園者数は約690万人で、平日は近隣にお住まいになっている方々の憩いの場になることが多いですが、休日はスポーツ施設で全国大会が行われることもあるので、その場合は全国から人が集まります。
多様な世代の方々のライフスタイルの向上や地域社会の魅力づくりの力にもなっている公園です。

集いの原っぱ
集いの原っぱ

――管理事務所の仕事内容について教えてください。

大根さん:公園の主役は来園される方々で、園内で安全に楽しく過ごしていただくため、黒子に徹するのが私たちの仕事です。植物管理、遊具点検、施設の補修、スポーツ施設の整備、イベントの企画・運営、見頃の花やイベント情報をSNSで発信しています。年4回発行している季刊誌「パークライフ」の制作も行っています。

季節のお花、プール、博物館、野外音楽堂、競技場から乗馬まで楽しめる公園

――「服部緑地」ならではの強み、特色を教えてください。

大根さん:様々な施設があり、幅広いニーズにお応えできます。「都市緑化植物園」「バーベキュー広場」「ウォーターランド」「日本民家集落博物館」「野外音楽堂」、各種スポーツ施設や「乗馬センター」まであります。また、北大阪急行電鉄「緑地公園」駅にほぼ隣接しており、周辺の北摂地域だけでなく、梅田や兵庫方面からの電車のアクセスが良いのが魅力です。

日本民家集落博物館
日本民家集落博物館

――本当にバラエティ豊かなスポットがそろっているんですね。公園のコンセプトなどもあるのでしょうか。

大根さん:現在のコンセプトは「ひと、まち、みどり JOIN!」です。来園者と「ひと」「まち」「みどり」をJOIN(一緒にする、協働する)するという意味が込められています。「ひと」については様々な利用目的を持つ来園者がお互いを理解・共存し、人と人のつながりを感じられる公園を目指すという意味です。「まち」は地域だけでなく企業・団体・行政とつながり、協働しながら、来園者の様々な目的を形にして頂けるような公園づくりを目指すという意味が込められています。「みどり」は豊かな自然環境とのつながりを実感して頂けるように、より質の高い管理を目指すという意味で、この3つの“JOIN”を通して、来園される方々に生き生きとした日々の暮らし送って頂くことを目的としています。

谷あいのはらっぱ。遊具もあり、持ち込みでバーベキューができる人気の広場。
谷あいのはらっぱ。遊具もあり、持ち込みでバーベキューができる人気の広場。

――力を入れている取り組みについて教えてください。

大根さん:桜の杜、藤棚の整備など、花の見所づくりを行っています。この地域には転勤族の方々が多いので、北大阪急行電鉄さん主催の地域交流と子育て支援を目的としたイベント「転勤族カフェ」を植物園で10月に開催します。植物園でのヨガ、ピラティス、フラダンスなど、健康づくりプログラムにも力を入れています。また、園内は災害が起こった際の後方支援活動拠点と広域避難場所に指定されていますので、消防や大阪府のご協力も得て、楽しみながら防災について学べる「防災ハイキング」を開催しています。

利用者に生き生きとした暮らしを送ってもらうために。イベントも充実!

――四季それぞれの人気スポットや、子ども連れのファミリーにおすすめのスポットについて教えてください。

大根さん:春は「梅林」、夏は「ウォーターランド」が人気です。流水プールやスライダープール、なぎさプールなど、公営では珍しく、様々なタイプをウォーターランドの利用料金のみですべて楽しむことができます。秋は「円形花壇」のコスモスや園内の紅葉が見頃を迎えます。

「都市緑化植物園」の椿。約500品種、1,150本が12~4月にかけ次々と開花する。
「都市緑化植物園」の椿。約500品種、1,150本が12~4月にかけ次々と開花する。

冬は「都市緑化植物園」の椿のほかに「日本民家集落博物館」にある古民家で餅つきや囲炉裏の火入れ、雪が降れば雪化粧も楽しむことができます。小さなお子様のいるご家族にオススメなのは子ども向けの遊具がある「こどもの楽園」と、緑豊かでリラックスして過ごせる「都市緑化植物園」でしょうか。

――地域の方に向けてイベントも多く開催されていらっしゃるようですね。コンテンツの内容を考える際に意識していらっしゃることはありますか。

大根さん:「服部緑地」を利用することで、全ての人々が日々生き生きした暮らし(=服部緑地パークライフ)を送ることを目指しています。植物園では、移動図書館「とよ1ぶっくる」に来て頂いたり、親子で楽しめるプログラムを充実させたピクニックイベント「ははこピクニック」を開催したり、多種多様な展示会や講習会、プログラムなどを行っています。また、人気店のスペシャルグルメをリーズナブルな価格で提供するイベント「シェフの屋台」も開催しています。

自然の美しさを堪能できる(都市緑化植物園)
自然の美しさを堪能できる(都市緑化植物園)

――最後に、これから街に住む方に向けて周辺エリアの魅力を教えていただけますでしょうか。

大根さん:利便性と住環境の良さが両立しているところですね。「江坂」駅周辺は、ビジネス街から商業施設、スーパーもある一方で、「江坂図書館」や「江坂公園」、「花とみどりの相談所」もあり、利便性と文化と自然がバランスよく混ざり合っています。また、「クレヨンハウス」というお子様向けの絵本やおもちゃで人気のお店もありますので、子育て世代が住むのには適した地域だと思います。この周辺も「服部緑地」を中心とした緑あふれる環境と静けさ、アクセスの便利さを併せ持つ暮らしやすい地域です 。

大根淳子さん
大根淳子さん

服部緑地

大根淳子さん
所在地:大阪府豊中市服部緑地
電話番号:06-6862-4945(管理事務所)
URL:http://hattori.osaka-park.or.jp/
※この情報は2019(令和元)年9月時点のものです。