2つのまちづくり構想近接、益々発展する「森ノ宮」の将来像とは?

2012(平成24)年6月に大阪府と大阪市によって策定された「グランドデザイン・大阪」で、大阪府は「一千万人都市・大阪」をめざすことを表明。「大阪大都市圏の中核をなす大阪都心部」と「大阪らしいポテンシャルとストックを持つ6つのエリア」において、整備を進める方針を決めました。

「グランドデザイン・大阪」の6つのエリア(引用:大阪市HP)
「グランドデザイン・大阪」の6つのエリア(引用:大阪市HP)

森之宮エリア周辺は、この6つのエリアの中の、多くの観光客でにぎわう「大阪城公園」をはじめ、大阪を代表する国際ビジネス拠点の「大阪ビジネスパーク(OBP)」、大阪第4の乗降客を誇るターミナル駅がある「京橋駅周辺地区」、大阪城公園の東側約40ヘクタールにも及ぶ「大阪城東部地区」などを含む「大阪城・周辺エリア」に位置しています。

大阪城
大阪城

「大阪城・周辺エリア」の中でも、「大阪城東部地区」と「府立成人病センター跡地等」の2つの地区では、今後大規模なまちづくり構想が進められる予定となっており、注目を集めています。

観光集客拠点として役割が期待される「大阪城東部地区」

「大阪城・周辺エリア」はその立地から、観光・ビジネスの拠点として活用されてきましたが、「大阪城東部地区」は鉄道施設や有効に使われていない用地が多く、そのポテンシャルが活かされずにいました。そこで、大阪府と大阪市は、その低・未利用地の大規模な開発と既存機能の活用・高度化によるまちづくりを進め、「観光集客・健康医療・人材育成・居住機能の集積により、多世代・多様な人が集い、交流をはぐくむまち」を目指す方針を決めました。

まちづくりの対象となっているエリアは、「もと森之宮工場(ごみ焼却工場)」や「JR森之宮電車区等」、「交通局検車場」など約40haにも及ぶ広大な範囲。まちづくりの素案では、「観光・集客機能」「健康医療機能」「人材育成・研究機能」の3つの中核機能を軸にまちづくりを行うことを示しています。

「大阪城東部地区」の
既存施設(引用:大阪市HP)
「大阪城東部地区」の 既存施設(引用:大阪市HP)

「多世代居住機能」と「都市利便機能」の基幹軸を

また、計画では地区内を中核エリアと周辺エリアの2つに分け、それぞれに「多世代居住機能」や「都市利便機能」といった基幹機能の導入も目指しています。

中核エリアでは、増加する外国人観光客を想定して、多様な食生活に対応した飲食店や、魅力的なおみやげを購入できるショッピングモール、大阪城公園の眺望を堪能できる宿泊施設を整備。また、ビジネス向けには既存の大阪城公園周辺施設と連携した、MICE施設(展示会や会議を行う大規模複合施設)の導入を計画しています。

一方周辺エリアでは、多世代・多様な世帯が安心して健康的に暮らせる居住環境の実現を目指しています。現状の「UR大規模団地」を若年層や子育て層向けの仕様にリノベーションして居住機能を向上させるとともに、スーパーマーケットなどの生活利便施設や医療機関を導入し、生活の利便性も向上させる計画です。また、「中浜下水処理場」も建替を予定しており、同時に処理場の上部を覆蓋(ふくがい)し上部に緑地や公園などを整備して、より豊かな環境を実現する構想です。

「大阪城東部地区」のゾーニング(引用:大阪市HP)
「大阪城東部地区」のゾーニング(引用:大阪市HP)

新大学のキャンパス整備が計画されている「成人病センター跡地等」地区

「大阪城東部地区」の南側にある「成人病センター跡地等」地区では、「多世代が交流する、学びと健康とにぎわいのまち」をコンセプトに、交通利便性と都心部最大のみどりを活かした人とまちを元気にする拠点づくりを目指しています。 まちづくり方針では、地区を「にぎわい創出ゾーン」と「多世代交流居住ゾーン」にゾーニングし、「多世代交流居住ゾーン」では子育て・ファミリー向け居住機能や高齢者向け居住機能を導入するとしています。「にぎわい創出ゾーン」では、高等教育・研究機関や健康・医療・介護関連産業を誘致することによって、周辺地域の活性化の先導役になることが期待されています。

2022(令和4)年度の統合を目指している「大阪府立大学」と「大阪市立大学」。2018(平成30)年の10月には吉村洋文大阪市長(現大阪府知事)が、「成人病センター跡地等」地区に新キャンパスを設置する構想を示し、一気に注目度も増しました。

「成人病センター跡地等」地区の街づくり方針(引用:大阪市HP)
「成人病センター跡地等」地区の街づくり方針(引用:大阪市HP)

「大阪万博」に向けて発展する中央線沿線

「森ノ宮」駅を通るOsaka Metro中央線では、「大阪万博」やIR誘致で盛り上がりを見せる夢洲への延伸が計画されている。延伸に合わせて夢洲新駅と商業施設が一体化した高さ275m規模の「夢洲駅タワービル(仮称)」を建設する方針も発表。延伸が実現すれば、湾岸部の盛り上がりが沿線にも波及することは必至で、中央線沿線はさらに注目を集めることになるだろう。