吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生 インタビュー

異学年交流と国際理解教育で、子どもたちの自尊感情を育てる「吹田市立藤白台小学校」

阪急「北千里」駅の東に広がる藤白台は、「古き良さ」を残しつつ、新たな発展を遂げるニュータウンです。大阪の都心部までアクセスが良く、「万博記念公園」と隣接していることもあり自然豊かな環境で、近くに「大阪大学 吹田キャンパス」や「千里金蘭大学」、「関西学院 千里国際中等部・高等部」があるなど、教育施設の多いエリアとしても知られています。今回、その藤白台に建つ「吹田市立藤白台小学校」の井上佐和子校長先生に同校の特徴や藤白台の魅力についてお伺いしました。

吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生
吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生

「知・徳・体」のバランスの取れた教育を

――藤白台小学校の今までに至るまでの沿革を簡単に教えてください

井上先生:本校は1965(昭和40)年に創立された学校で、かつて全国のニュータウン開発のモデルとされた1960年代の「千里ニュータウン」の開発と1970(昭和45)年の「大阪万博」の開催による人口増加に伴い、児童数が増加し、校舎が増設されました。開発が落ち着くとともに児童数も減りましたが、2005(平成17)年ごろから新たに集合住宅の建替計画が進められ、今では新旧が混在した独自の環境を成しています。児童数もここ数年で増加しており、現在では689名の児童が本校に通っています。

1年生の教室は、天窓から優しい光が差す教室。天井が高く、部屋もとても広い。
1年生の教室は、天窓から優しい光が差す教室。天井が高く、部屋もとても広い。

――藤白台小学校が目指す教育について教えてください

井上先生:本校の目指す教育としては、「自分の夢を持ち、実現のために努力する心豊かな人を育てる」と「仲間と力を合わせ、明るい未来を築いていける人を育てる」という2つの目標を掲げており、その目標を叶えるために目指す子ども像として、「かしこい子 やさしい子 げんきな子」という 「知・徳・体」のバランスの取れた教育を進めたいと考えています。実は、「かしこい子 やさしい子 げんきな子」というのは本校の校歌にも盛り込まれており、まさに本校の教育を示す言葉となっています。

保護者の教育意識が高く、学習環境が整っている

――井上先生は今年から校長先生に就任されたそうですね?

井上先生:昨年まで本校で教頭を務めていたのですが、やはり校長となると約700人の子どもたちを預かっているという責任感で、緊張の日々です。本校には若い教員が多いのですが、「若いからこそできることをしよう!」と一生懸命に取り組ませ、教員で一致団結して子どもたちの教育にあたっています。

――藤白台は文教エリアとしても知られていますが、藤白台小学校の子どもたちの学力はいかがでしょうか?

井上先生:藤白台の周辺には教育機関が多いことと、子育て環境が恵まれていることもあり、保護者の方の教育への意識は高いと思います。全国学力学習調査でも、全国平均を上回る項目が多いです。

図書室での読み聞かせの授業。図書室は低学年と高学年の2つの部屋に別れている。
図書室での読み聞かせの授業。図書室は低学年と高学年の2つの部屋に別れている。

――それでは藤白台小学校の具体的な教育の特徴を教えてください。

井上先生:まずはいち早く特例校として、英語を教育課程に入れて進めてきました。英語の授業でコミュニケーションを勉強するのは当然ながら、毎週の水曜日と金曜日を「イングリッシュデイ」と定め、放送委員会による朝の放送を英語で放送したり、掃除の時間にビートルズやカーペンターズなどの洋楽を流したり、自然と英語が耳に入ってくる環境を整えています。また、最大の教育の特徴としては、4年生以上は一部の教科において、「教科担任制」を取っていることです。例えば、1組の先生がその学年(1組から3組まで)の全ての体育を担当するなどです。メリットとしては担任以外の先生の目が入ることで、子どもたちにとって相談しやすい環境が生まれ、教育環境の改善に役立ちます。先生も、その教科の授業力を高められるというメリットがあります。最近では文科省が教科担任制を奨励しはじめているので、まさに本校は一歩先を行く教育環境といえます。

12メートルの小プールと25メートルの大プール。吹田市では「命を守る水泳」に取り組み、6年生になると臨海学習を行う学校が多く、市内の6年生の98%の子どもが平泳ぎ200メートル・クロール50メートルを泳ぐことができる。
12メートルの小プールと25メートルの大プール。吹田市では「命を守る水泳」に取り組み、6年生になると臨海学習を行う学校が多く、市内の6年生の98%の子どもが平泳ぎ200メートル・クロール50メートルを泳ぐことができる。

地域との関わりで「安心感」を

――今年度、特に力を入れている取り組みを教えてください

井上先生:今年は異学年交流を推し進めております。違った学年の子どもたちと触れ合うことで子どもたちの自尊感情を高めたいという狙いがあり、異学年同士で班を組んで掃除をしたり、遊んだりなど、コミュニケーションを取れる機会を作っています。異学年交流をすることで、高学年は責任や自覚を持ち、下級生にとっての身近なお兄さんお姉さんとしてよいモデルとなり学校を引っ張っていってくれますし、低学年は安心して過ごすことができます。

――子どもの安全を守るために行なっていることを教えてください

井上先生:地域の方による見守りもありますが、「ミマモルメ」という緊急時に保護者にメール配信するシステムを導入し、登下校時の安全対策に役立てています。先日も子どもの引き取り訓練を行ったのですが、「迎えにきてください」「門が開きました」などの状況をメールで逐一、保護者の方の携帯端末に配信していました。

広々とした1年生教室前の多目的ホール
広々とした1年生教室前の多目的ホール

――地域との関わりについて教えてください

井上先生:連合自治会や青少年対策委員会などの地域の方が中心となって、夏祭りや子どもフェスタなど、子どもたちが楽しめるイベントをたくさん開催してくださっています。地区運動会も盛んです。また、最近ではAEDの設置場所や子ども110番の家、さらには地域における危険場所などを明記した防災と防犯に役立つマップを作成しようという動きもあります。今後は、子どもたちにとっての豊かな環境づくりを進めるために、地域と保護者と学校のさらなる連携が大切だと考えおります。

――地域にある関連校との交流について教えてください

井上先生:児童教育学科がある「金蘭千里大学」さんとはさまざまな連携を取っています。学生さんはインターンシップ、教育実習として学校現場を体験するだけでなく、毎年行われる「千里キャンドルロード」では、使用するローソクを入れる紙コップに、本校の子どもたちと絵を書いてくださっています。また、2年生向けに「掛け算教室」というボランティア活動も行いました。それとは別に、吹田市では市内の学校に通う小学6年生のために、「エキスポシティ」にあるOSAKA ENGLISH VILLAGEを1日無料開放していて、その日は「青山台小学校」と本校で組んで英語の体験をすることになっています。それは「青山台中学校」への進学時に「青山台小学校」の子どもたちと一緒になるので、入学前に子ども同士でつながる機会を作るためです。先日、中学校の先生から「入学当初から両校の生徒が和気あいあいだったよ。」と聞いて、改めて交流する機会の大切さを感じました。

きれいに並べられた靴。子どもたちに規則正しい教えが浸透している。
きれいに並べられた靴。子どもたちに規則正しい教えが浸透している。

――今後、力入れていきたいことを教えてください

井上先生:まずは教員の授業力の向上が一番です。それを踏まえて力を入れいくのは、今、取り組んでいる異学年交流に加え、国際理解教育をより深めて行きたいということです。最近はどの学校も、外国にルーツを持つ子どもが増えています。本校にも、様々な国をルーツに持つ子どもも多いので、それを大切な財産として他者理解につなげていければと思っています。

時に熱く、時に優しく、子ども思いの井上校長
時に熱く、時に優しく、子ども思いの井上校長

――最後に、井上校長先生が感じる、藤白台における子育て環境の魅力について教えてください

井上先生:まずは保護者の教育関心度が高く、学力が高いエリアであるということ。そして、駅に近く利便性があり、買物施設も充実していること。加えて、子どもの習い事の環境も整っていて、自然も豊富であること。つまり、子育て環境で必要な全ての条件が揃っていて、まさに子育てに向いているエリアだと思います。私のおすすめしたいスポットとしては、点在する広々とした公園と四季折々の情景が美しい三色彩道の並木道です。放課後、自然の中で活発に遊ぶ子どもたちの光景はニュータウンならではの光景だと思います。

季節よって色づきが変わる三色彩道の並木
季節よって色づきが変わる三色彩道の並木

吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生
吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生

吹田市立藤白台小学校

校長 井上佐和子先生
所在地:大阪府吹田市藤白台3-3-3-1
電話番号:06-6872-0366
URL:http://www2.suita.ed.jp/school/es/32-fujisiro/
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。