特別インタビュー

“こどもをまんなかに”子育て支援を進める和泉市が描く、子育ての未来像

大阪府南部に位置する和泉市は、都市の利便性と豊かな自然環境が調和する“ちょうどいいまち”として注目を集めている。近年は「住めば住むほど好きになる ちょうどいいまち和泉」というキャッチコピーを掲げ、移住・定住促進に力を入れてきた。なかでも子育て施策は、市の重要な柱のひとつである。令和7年度からスタートした「和泉市こどもまんなか計画」では、すべてのこどもの可能性を育むことを基本理念に掲げ、保健・医療・福祉・教育を横断した総合的な支援体制を整えている。

今回は、市長公室 広報・協働推進室 いずみアピール担当 主事の伹馬ひよのさんと、こども・健康部 子育て支援室 室長(保健師)の鍛治みかさんに、和泉市が誇る子育て環境の魅力と、その背景にある想いを伺った。

お話を伺った「和泉市役所」の伹馬ひよのさん(左)と鍛治みかさん(右)
お話を伺った「和泉市役所」の伹馬ひよのさん(左)と鍛治みかさん(右)

都市と自然が響き合う“ちょうどいいまち”和泉市の魅力

――和泉市のまちの特徴や住環境の魅力について教えてください。

伹馬さん:和泉府中駅から天王寺駅まで乗り換えなしで約20分(阪和線)なので、大阪市内へ電車でアクセスしやすい立地でありながら、豊かな自然が身近にあることが大きな魅力です。都市の便利さと、自然のゆとり。その両方がそろっていることが、「ちょうどいい」と感じていただける理由だと思います。

例えば「黒鳥山公園」は、市民の憩いの場として親しまれていて、春は桜、夏は新緑の風景が楽しめます。南部の槇尾山ではハイキングを楽しむご家族の姿が見られますし、「いずみふれあい農の里」では収穫体験やバーベキューもできます。こどもたちが自然の中で遊び、学び、成長できる環境が生活圏内にあることは大きな強みです。

 

「黒鳥山公園」(引用:和泉市HP)
「黒鳥山公園」(引用:和泉市HP)

――和泉市を紹介されるにあたり、“トカイナカ”という言葉も使われていますね。

伹馬さん:商業施設や医療機関が充実していて、日常の買い物や通院にも困りません。一方で住宅地は落ち着いた環境で、公園や緑地が多く、こどもが安心して遊べる空間があります。

子育て世帯からは「自然が身近でのびのび子育てできる」「学校環境が整っている」といった評価を頂いています。シティプロモーション担当としては、制度だけでなく、実際に暮らしている方の“暮らしの実感”を伝えていきたいと考えています。

市長公室 広報・協働推進室 いずみアピール担当 主事 伹馬ひよのさん
市長公室 広報・協働推進室 いずみアピール担当 主事 伹馬ひよのさん

――和泉府中エリアの暮らしやすさについては、どのように感じていらっしゃいますか。

伹馬さん:「和泉府中」駅周辺は、生活利便性が高く、通勤にも便利なエリアです。スーパーや医療機関、飲食店がそろい、徒歩圏内で生活が完結しやすい環境が整っています。それでいて少し足を延ばせば自然が感じられる。このバランスが、共働き世帯におすすめできる理由のひとつだと思います。

「和泉府中」駅のすぐ近くには「イオン和泉府中店」がある
「和泉府中」駅のすぐ近くには「イオン和泉府中店」がある

伹馬さん:また、和泉市は民間調査でも評価をいただいており、「SUUMO住みたい街ランキング2026関西版」では、「自治体政策が魅力的、先進的である」で第1位、「地域に顔見知りや知り合いができやすい」で第1位、「魅力的な子育てに関する自治体サービスが充実している」で第5位、「子育て環境が充実している」で第6位に選ばれました。

教育と支援の両輪で支える、和泉市の子育て環境

――和泉市が考える子育て支援の基本方針と強みは何でしょうか。

鍛治さん:和泉市では、妊娠期から青年期までを見据えた“切れ目ない支援”を大切にしています。2025(令和7)年度から始まった「和泉市こどもまんなか計画」では、「すべてのこどもの可能性を育み、その可能性を十分に発揮できる こどもまんなかの和泉市」を基本理念に掲げています。

教育・保育の量と質の確保はもちろんですが、それだけでなく保健・医療・福祉・教育が連携し、包括的に支える体制づくりを進めています。複数の関連計画を一体化し、横断的に推進している点が本市の強みです。

――具体的な体制について教えてください。

鍛治さん:2024(令和6)年度から「和泉市こどもまんなかセンター」を設置しました。母子保健と児童福祉の機能を一体的に運営し、妊産婦や乳幼児の相談から、虐待や養育支援が必要な家庭への対応まで、総合的に支援しています。相談窓口を分けるのではなく、連携を強めることで、支援が途切れないようにしています。

「和泉市こどもまんなかセンター」(引用:和泉市HP)
「和泉市こどもまんなかセンター」(引用:和泉市HP)

こどもの声を政策に生かすまちづくり

――「和泉市こどもまんなか計画」の目的と現在力を入れている取り組みを教えてください。

鍛治さん:この計画は2025(令和7)年度から2029(令和11)年度までの5か年計画で、「こども基本法」の理念を踏まえて策定しました。大きな特徴は、こどもや若者の意見を反映していることです。

幼児から大学生世代を含む18歳から39歳までの若者を対象にワークショップを実施しました。こども自身が「どんなまちで暮らしたいか」「どんな支援があれば安心できるか」、そんな意見が寄せられました。こどもを支援の対象ではなく、権利の主体として尊重する姿勢を大切にしています。

こども・健康部 子育て支援室 室長(保健師)の鍛治みかさん
こども・健康部 子育て支援室 室長(保健師)の鍛治みかさん

――計画の柱となる方針について教えてください。

鍛治さん:6つの基本方針を掲げています。こどもの権利と意見の尊重、地域全体でこどもを育むこと、困難を抱えるこどもや若者への支援などです。特に“地域で育む”という視点は重要で、行政だけでなく、市民や地域団体との連携を強化しています。

「和泉市こどもまんなか計画」の基本方針と基本施策(引用:和泉市HP)
「和泉市こどもまんなか計画」の基本方針と基本施策(引用:和泉市HP)

困難を抱えるこどもを支える医療・福祉・教育の連携体制

――医療的ケアが必要なこどもへの支援についても取り組まれているそうですね。

鍛治さん:医療的ケアが必要なお子さんとそのご家族が安心して生活できるよう、関係機関と協議の場を設けています。医療・福祉・教育の連携を強めることで、地域での受け入れ体制を整えています。

また、児童虐待やヤングケアラー、不登校、ひとり親家庭支援など、さまざまな課題にも対応しています。早期発見と予防的支援を重視し、一人ひとりに寄り添う支援を行っています。

「和泉市役所」内の子育て支援室こども政策担当にて、相談も受け付けている
「和泉市役所」内の子育て支援室こども政策担当にて、相談も受け付けている

――若者支援についてはいかがでしょうか。

鍛治さん:ひきこもりなど困難を抱える若者への支援も重要な柱です。相談窓口の周知や地域資源づくりを進め、支援が途切れない仕組みづくりを進めています。

こどもを真ん中に、未来へつなぐ和泉市からのメッセージ

――今後の子育て施策の展望を教えてください。

鍛治さん:少子高齢化が進む中でも、こども施策を縮小するのではなく、より充実させていきたいと考えています。困難を抱えるこども若者支援や居場所づくりなど、地域全体でこどもを支える仕組みをさらに強化していきます。

――これから和泉府中エリアに住む方へメッセージをお願いします。

伹馬さん:和泉市は、自然と利便性のバランスが取れたまちです。そして何より、こどもを真ん中に据えた施策を本気で進めています。暮らしてみると、その“ちょうどよさ”を実感していただけるはずです。

「和泉府中」駅前には複合商業施設「フチュール和泉」もあり、利便性が高い
「和泉府中」駅前には複合商業施設「フチュール和泉」もあり、利便性が高い

鍛治さん:子育てには不安もあると思いますが、和泉市ではどんな方でも一人で抱え込まずにご相談いただける場所があり、支えてくれる人がいます。こどもも保護者も安心して暮らせるまちであり続けたいと、考えています。

お話を伺った「和泉市役所」の伹馬ひよのさん(左)と鍛治みかさん(右)
お話を伺った「和泉市役所」の伹馬ひよのさん(左)と鍛治みかさん(右)

和泉市役所

市長公室 広報・協働推進室 いずみアピール担当 主事 伹馬ひよのさん
こども・健康部 子育て支援室 室長(保健師)鍛治みかさん
所在地:大阪府和泉市府中町2-7-5
電話番号:0725-41-1551(代表)
URL:https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/index.html
※この情報は2026(令和8)年4月時点のものです。