四條畷市立田原小学校校長先生インタビュー

若い街の中にある歴史の長い「四條畷市立田原小学校 」

大阪という街にもいろんな顔がある。ミナミや心斎橋のような都心の街もあれば、自然にあふれた街もある。そんな大阪のなかのオアシスのひとつが四條畷市だ。奈良県との境に位置し、生駒山地の一部でもある田原台は田原地区と呼ばれる一画にあり、ニュータウンとしての開発が進んできた新興住宅地である。そんな田原台で140年の長い歴史を受け継ぐ「四條畷市立田原小学校 」。2017(平成29)年度から校長に着任したばかりの鉄(てつ)寿広校長にお話をうかがった。

若い街の中にある歴史の長い小学校

校長の鉄先生
校長の鉄先生

――まずは学校の沿革からお聞かせください

鉄校長:「四條畷市立田原小学校」は遡りますと、1873(明治6)年に「堀溝郷学校田原出張校」として、「法元寺」というお寺の本堂にある学習所として開設されたのが始まりです。本当に寺子屋のようなものからのスタートだったわけです。1877(明治10)年に現在の下田原にあたる場所に移転して以来、幾度かの校舎の増改築等を経て、現在の「田原小学校」という名称になったのが1947(昭和22)年です。そこからも市町村合併など、様々な過程を経て、昭和・平成の境目あたりから田原台周辺のニュータウン開発が進んできたのをきっかけに2002(平成2)年に、田原ニュータウンのほぼ真ん中に位置する現在の場所に移転して今に至ります。

1973(昭和48)年5月に創立100周年を迎えた
1973(昭和48)年5月に創立100周年を迎えた

児童数は2011(平成23)年の800人が一番多く、現在は640人となっております。ちなみに開発が行われる直前の1988(昭和63)年の児童数は101人でした。

――現在640人ということは学級数としてはどれくらいでしょうか。

鉄校長:各学年3クラス、6年生のみ4クラスとなっています。

学校周辺は緑あふれる景色が広がる
学校周辺は緑あふれる景色が広がる

――運動場と体育館が大きいですね。あと図書室からの外の眺めが、まるでリゾート地のコテージから見るような風景で驚きました。

鉄校長:実は私も今年着任したばかりなので、まだ勉強中の部分もあるのですが、運動場や体育館が大きいのは、おそらくニュータウン開発時の児童数増加を意識していたのではないかと思います。周辺の景色や自然に囲まれた環境の良さは私も素晴らしいと実感しています。空気も明らかに大阪の都心部とは違いますし、子どもが伸び伸びと過ごすのにこんなに良い環境はないのではと感じています。

考え、学び、しっかりと軸足のある人間像に

図書室
図書室

――学校教育の目標についてお聞かせください。

鉄校長:本校の学校教育目標は「自ら考え、正しく判断し、進んで学ぶ子どもの教育」です。”主体的・対話的・深い学び”といった視点から子ども達の学びをサポートをするため、授業を組み立てたり、教材を工夫したりするよう先生たちにもお願いしています。こういう部分では文科省の指導要綱にも沿っていますが、フォローアップ対策と呼ばれているものがあり、これは学習面や生活面において困り感を抱えている子どもたちの個別の支援をするというものですが、そういった個別のケースに応じたサポートにも力を入れなければいけないと思っています。

広々とした体育館
広々とした体育館

――独自の取り組み、行事がありましたら教えてください。

鉄校長:学校目標の「自ら考え、正しく判断し、進んで学ぶ子どもの教育」にもつながってくる部分ですが、読書をすることにより、考え方や視野も広がるので、読書活動を特に推進しています。本校では学校図書館の整備・活用の取り組みは先進的に行っていますね。体力づくりではラダートレーニング・サーキットトレーニング・体幹トレーニングなどを活用しているのもユニークだと思います。それから地域連携という面では、私自身も驚くくらいに周辺地域の皆様のご協力が厚くて。畑での収穫体験だけでなく、年間を通じて畑を貸して頂き米作りをさせてもらうなど、本当に周囲の皆様からいろいろと力を貸して頂いております。

本の読み聞かせの様子
本の読み聞かせの様子

――いま、お話にでた収穫体験や米作りといった地域連携として行っている部分では子どもたちの反応などはどうですか。

鉄校長:実際に収穫などの体験ができることは、子どもたち自身がいちばん楽しいと感じていると思います。この4月に本校に着任して子どもたちを見て思うことは、素朴で素直な子どもが多いなと感じることですね。子どもの原点という雰囲気があります。

街・人・子ども。全てが調和するコミュニティー

運動場で元気に遊ぶ子どもたち
運動場で元気に遊ぶ子どもたち

――その他の地域連携に関してはいかがでしょうか?

鉄校長:「田原地区教育推進協議会」という青少年指導委員や自治会など子どもの健全育成に関わるいろんな団体が集まって成り立っている協議会があります。これは子どもたちを街の中心に置いて地域で子どもたちを見ていこう、という方針で行事などに取り組んでいます。大阪府が2000(平成12)年度から推進している「すこやかネット」のコンセプトと非常に似ておりますが、田原台地区ではずっと以前から先駆けて、この考え方に基づいた活動を行っています。田原台地区でこの取り組みが行われてきたきっかけは、ニュータウン開発が行われて新しく住まわれる方が増えてきたときに、旧村の住人と新しく来た人たちが分断していてはいけないということで、子どもを中心として、周囲の大人たちが子どもたちを見守り繋がっていこうという経緯があったからです。大とんどの行事や、里山の会でビオトープを作ったり、ホタル観賞会も行っています。学校から「こんなことをやっていこう!」という発信から始まったのではなく、田原台地区で既にあった考え方に学校も組み込まれていったという感じです。そういうことが実現できる地域柄なんですね。

地域のボランティア団体が手入れをしている花々
地域のボランティア団体が手入れをしている花々

また校舎の敷地周辺に綺麗な花が植えられているのも、周辺地域の様々なボランティアの団体の方に行って頂いています。まだ若い街を自分たちでもっとよくしていこう、子どもを守って安全な街にしようという意識が本当に強く感じられます。着任したてなので、先生たちからいろんな話を聞いて勉強しているのですが、地域の方たちのご協力の手厚さには何事にも関心させられていますね。それに行事では「お月見どろぼう」も続いていますよ。

――それはどんな行事ですか?

鉄校長:もともとは古くからあった日本の風習ですが、十五夜に子どもたちが近所の家を廻り、お菓子をもらうんです。ハロウィーンと似ています。街が都会化していく過程で危険だというイメージですたれていったようですが、「お月見どろぼう」ができるくらいに安全な街をめざそうという逆の発想で続けてきたそうです。

新興住宅地の中にある学校
新興住宅地の中にある学校

――本当にいろんな意味で街づくりの先進的な取組みを行ってきているのですね。

鉄校長:本当にそう思います。

――それでは最後の質問になりますが、学校周辺の町の魅力や、子育て環境の魅力について感じておられることがあれば教えてください。

鉄校長:自然や地域連携に関しては、もう十分ご理解いただけていると思います。田原台では小学校1つ、中学校1つということで街全体が、小・中学校を中心として繋がり成り立って、風通しもいいことがとても良い部分だと感じています。「四條畷市立田原中学校」や保育園(昨年度から認定こども園)との学校園同士の連携もよいです。街づくりの発想の根本が、住人の皆さんの”子どもたちのために”という意識から成り立っているのが何よりもすごいことだと感じています。

四條畷市立田原小学校 鉄校長先生
四條畷市立田原小学校 鉄校長先生

四條畷市立田原小学校

校長 鉄 寿広先生
所在地:大阪府四條畷市田原台4-2-1
電話番号:0743-78-1402
URL:http://www.city.shijonawate.lg.jp/soshikikarasagasu/kyoiku/siritushougakkou/tawarashougakkou/
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。