堺市立市小学校 校長 山本先生 インタビュー

堺の街と時を歩み続けてきた「堺市立市(いち)小学校」

千利休・与謝野晶子・鉄砲・包丁・自転車・線香・古墳と教科書を開けば堺にゆかりのあることはたくさんある。そんな堺市で145年の歴史を持つ「堺市立市(いち)小学校」。堺の街と時を歩み続けてきた小学校を訪ね、山本校長先生にお話を伺った。

親子3世代にも渡る歴史を刻む小学校

堺市立市小学校校舎外観
堺市立市小学校校舎外観

――まずは市小学校の歴史と概要について教えて頂けますか。

山本先生:1872(明治5)年に設立され、145年の歴史のある小学校です。堺市内でも歴史の長い学校のひとつですので、お父さんお母さん、さらにはおじいちゃんおばあちゃんの時代から本校に通っていたという方もたくさんいらっしゃいます。2017(平成29)年度の児童数は336人、各学年2クラスと「ひまわり学級」と呼んでいる支援学級が4クラスあり、計16学級あります。

休み時間の様子
休み時間の様子

各学年2クラスなので、学年全員が顔見知りで仲が良いですね。そのなかで、「たてわり活動」なども行って異年齢交流もしているので、穏やかな雰囲気がある学校だと思います。

ピークの時には児童数が700~800人という時期もありましたが、ここ数年は350人前後を推移しています。新しいマンションも建っていますが、小学校に通う年齢層がマンションごとに入れ替わっているようです。

「堺市立市小学校」
「堺市立市小学校」

――教育目標についてお伺いしたいと思います。

山本先生:「豊かな人間性をそなえ、文化を受け継ぎ、創造する人となるための基礎を培う」というのが本校の教育目標です。「い・ち・の・こ」という文字合わせで、「いつも明るく元気な子」「ちからを合わせて生きていく子」「のびようと努力する子」「こん気よく自分で考え行動する子」をめざす子ども像としています。そうした子ども像を念頭におき、「確かな学力の定着と向上」「豊かに伸びる心の育成」「健やかな体の育成」、いわゆる知・徳・体の向上を図ることを重点目標としております。

豊かな子どもの心をそだてる「たてわり活動」

堺市立市小学校校長 山本先生
堺市立市小学校校長 山本先生

――重点を置いている取り組みについて教えてください。

山本先生:「心を育てる」という道徳教育に力を入れています。これまでも道徳教育には取り組んでいましたが、2015(平成27)年度から、1つの中学校と3つの小学校で構成する「月州中学校区」で「豊かな心の育成事業」を合同で行なうこととなり、本校はその中心的な役割を果たしています。

道徳の授業の様子
道徳の授業の様子

山本先生:1年生から6年生まで20人ずつの集団で遊ぶ「たてわり活動」を週に1回行っていますが、これも道徳教育に繋がっています。6年生はリーダーとなって遊びを考えたり、低学年の面倒を見たりします。子どもどうしの関わる力・繋がる力が育つだけでなく、低学年の子どもは遊びを通じてできることが増え、高学年の子どもは自分が誰かを手助けできるという心の成長に繋がります。

各授業でも活動の振り返りを行っていますが、「たてわり活動」の後には「○○ちゃんが縄跳びを飛べるようになった」「いつもより上手に飛べるようになって嬉しかった!また頑張って教えてあげたい」といった振り返りが聞こえてきて、子どもたちにも伝わっているなと感じています。

堺市立市小学校校舎外観
堺市立市小学校校舎外観

――「マイスタディ市」という取り組みに関して教えてください。

山本先生:「マイスタディ市」は3・4年生を対象に毎週木曜日の放課後を使って行っている希望参加制の放課後学習です。現在は20人ほどが参加していて、活動には教師も関わりますが、学生さんやOBの方が主体となって教えてくれています。

集団学習では少し学習ペースが掴みづらい子どもたちをサポートする仕組みで、活動が子どもたちにも浸透してきているので、「参加したいねん」と前向きに参加している子どもが多いです。

図書室
図書室

――図書館・読書などの学習への取り組みについてはどうですか?

山本先生:図書室の貸し出し冊数は年々増えていて、2010(平成22)年から現在では約3倍にも伸びています。これはいつでも利用できるように図書室に職員を配置したことと、授業でも調べ学習を推進している効果だと思います。もちろん本を読むことは大事ですが、調べ学習のように発展的な学習習慣に繋がっていることは効果が大きいと感じています。

地域の人々が見守る子どもたちの活動

「いこいの森」
「いこいの森」

――市小学校ならではの特徴的な施設はありますか。

山本先生:地域の方に40~50年ほど前に学校の敷地の一画を整備していただいた「いこいの森」でしょうか。街中の学校でも自然を失わないでほしい、という願いが込められていて、各種樹木や池や稲田があり、亀や鯉も泳いでいます。「いこいの森」のおかげで都会にありながら自然と触れ合い、セミの抜け殻調査や田植えから収穫などいろいろな学習ができます。

「いこいの森」で探検
「いこいの森」で探検

また、器楽クラブやダンスクラブも盛んですが、器楽クラブは「堺まつり」や「ASEAN交流」での演奏も行なっていますし、ダンスクラブもいろいろなイベントでダンスを披露しています。そのイベント出演の際には機材運搬など、保護者・PTAの方にサポートしていただいています。

――地域の方との関わりが強い地域なのですね。

山本先生:歴史の長い学校ですので、地域の方々によって「市校振興会」という組織がつくられ、「いこいの森」の整備やクラブ活動の支援、図書の充実等、PTAと共に地域の方々が市小学校を支えようと積極的にサポートしてくださることは本当にありがたいです。そうした支援は子どもたちも感じ取っているように思います。こうした活動を評価され、2013(平成25)年には市小学校PTAが文部科学大臣から表彰を受けました。

文部科学大臣の表彰を受けたPTA活動
文部科学大臣の表彰を受けたPTA活動

――最後に、先生から見た堺の街の魅力を教えてください。

山本先生:南海本線の「堺」駅からも本校が見えたり、市役所からも近かったりと、この辺りは非常に利便性が良いと思います。堺市はたくさんの史跡があり、鉄砲、包丁、お茶など名物も多くあります。海にも歩いてすぐに行ける距離ですし、知れば知るほど素敵な、魅力ある街だと思います。

堺市立市小学校校長 山本先生
堺市立市小学校校長 山本先生

堺市立市小学校

山本校長先生
所在地:大阪府堺市堺区市之町西3-1-14
電話番号:072-223-4610
URL:http://www.sakai.ed.jp/ichi-e/
※この情報は2017(平成29)年9月時点のものです。